みなさんは動画を撮影した時、画面がチラついてしまって、見づらい動画になってしまったという経験はありませんか。これはフリッカーと呼ばれ、蛍光灯の下で撮影した時に見られる現象です。最近のビデオカメラは性能が良くなっており、状況に応じて自動で設定を変更したり、ファインダーにメッセージを出したりして、オートでも失敗を防ぎ、きれいな動画が撮影できるようになっています。ただどんなにカメラが優秀でも、時にフリッカーが発生することがあります。今回は、フリッカーを防止するおてがる制作テクニックを紹介します。
フリッカーの原因は、ビデオカメラのシャッタースピート(1秒間にシャッターを切る回数)と蛍光灯の周波数のズレです。ビデオカメラは通常では、シャッタースピードは1/60(1秒間に60回シャッターを切る)の設定となっています。一方、蛍光灯の周波数は、東日本は50Hz、西日本は60Hzです。東日本では、シャッタースピードと周波数のズレがチラつきとなって現れるのです。西日本ではシャッタースピードと周波数が一致しているため、通常、フリッカーは現れません。
フリッカーが見られた場合、シャッタースピードが調整できるビデオカメラであれば、シャッタースピードを1/100(もしくは1/50)に設定することで解決します。(フルオートの設定は調整できないので、マニュアルモードにして設定を変更しましょう)ただ家庭用のビデオカメラは、優秀であるがゆえにシャッタースピートが調整できない機種も多く、その場合、カメラの設定でフリッカーを抑えることができません。こうなると、もうあきらめるしかないとなってしまいますが、そんなときには次の方法を試してみてください。
○蛍光灯をつけなおす。
接触の不具合などによって点灯が安定せずに、チラつき強く現れていることがあります。蛍光灯をつけなおすことで、点灯が安定しフリッカーが目立たなくなることが良くあります。
○蛍光灯を新品の物に交換する。
蛍光灯は古くなるにつれて放電が不安定になり、点灯が不安定になってきます。新品の蛍光灯にすることで、気にならない程度にまで、フリッカーを抑えられることが良くあります。
○インバーター式の蛍光灯に取り換える。
インバーター式は、電子回路による高周波で点灯させているため、チラつきはほとんど気になりません。一般家庭の照明用の主流となってきた方式で、スイッチを入れると直ぐに点灯する、調光ができる蛍光灯はインバーター式です。インバーター蛍光灯は安くなってきてはいますが、器具を取り換える手間と費用が掛かります。
≪フリッカーを防ぐために≫
フリッカーはビデオカメラの小さなファインダーでは確認がしづらく、見逃してしまうことがあります。せっかくいいシーンが撮影できても、テレビやモニターで見た時に、フリッカーが出ていてがっかりするということは避けたいものです。 フリッカーが発生するリスクがある場所(東日本でのグロー式の蛍光灯下)での撮影では、できれば大きめの外部モニターに映して画像を確認するようにしましょう。撮影現場で少し手間をかけてフリッカーを防ぐ、もしくは気にならない程度まで抑えることが1番のフリッカー対策だと思います。
もしフリッカーを見逃してしまった場合は、フリッカーを除去するソフトなどもあるので試してみるのも1つの方法です。